
脱臼とは?
●肩関節などの脱臼。クセになりやすいので要注意!

脱臼とは、関節がはずれて、骨の位置が関節からずれてしまった状態。肩・あご・ひじ・指・股脱臼などが一般的に多い症状です。 いずれの場合も、関節から骨が外れた状態で固定されてしまう、いわゆる脱臼特有の弾発固定(弾発抵抗)と呼ばれる症状です。 脱臼は一度なると、くせになりやすいのも特徴のひとつ。 これは、脱臼時に関節を構成する軟骨やじん帯を損傷してしまい、関節の適合性を高める関節と、 骨と骨をつなぎ関節を支える軟骨が完全に修復しないまま、ちょっとしたきっかけで再発してしまうからです。 もし脱臼してしまったら、しっかりと固定したうえで、十分安静(2〜3週間)を保つようにしましょう。 治療をしないで放置していたり、骨折をともなうときは手術が必要になることもあります。
脱臼の症状と種類
外傷性の脱臼の場合、ガクッという音とともに関節が変形します。 また、関節周囲のじん帯なども損傷するため、激しい痛みと腫れが生じます。 さらには、本来の関節の動きが制限されます。関節に骨折をともなうこともありますが、 脱臼だけでも関節の変形が起きるため、外見上はわからない場合もあります。 まずは安静にして、症状が落ち着き次第、接骨院・整骨院に行きましょう。 また、脱臼には大きく分けて、完全脱臼・亜脱臼・陳旧性脱臼の3種類があります。
●完全脱臼
・関節包外脱臼
骨が関節を覆っている関節包じん帯を突き破り、関節包の外へ出ている状態。 周辺のじん帯を損傷している為、関節や軟骨の固定に長期間要します。
・関節包内脱臼
骨が関節包の中にとどまった状態。関節包への損傷がない為、治癒は比較的早いのが特徴ですが、 習慣性肩関節脱臼などがこの症状にあたります。
●亜脱臼
関節から骨の関節面が外れかかった状態。関節を形成する骨同士の関節面の一部が接触している状態を、亜脱臼と言います。 亜脱臼を発症する原因には、骨同士の関節面の大きさや形状などの適合性にあると見られ、多くは遺伝により引き起こると言われています。 肩関節、膝間接、あご関節などに見られる症状です。
●陳旧性脱臼
陳旧性脱臼とは、脱臼した関節をきちんと整復せず放置した結果、新たな関節を構成してしまう状態。 肩鎖関節脱臼や足指の脱臼、脊椎の脱臼などが、陳旧性脱臼に発展しがちです。 陳旧性脱臼の治癒は難しく、関節運動障害が残る可能性もあります。
脱臼の治療方法
脱臼の治療方法については、どこを脱臼したかによって、治療方法は異なります。 そのため、まず脱臼個所、脱臼の症状を見極めることが重要です。 場合によっては骨折を伴った脱臼や、じん帯の損傷を伴うこともあります。念のため病院でレントゲン検査を行いましょう。 また、脱臼は整復後、約3週間は患部を固定する必要があります。 痛みがなくなったからといって、自己判断で運動を始めたりすると、 不完全な治療が原因で、再発したりクセになる可能性が高まりますので、十分注意してください。
脱臼の応急処置
軽度の脱臼を起こした場合、知っておくと役に立つ応急処置法をご紹介いたします。 身体を横にするなど安静を心がけてください。 見た目は単純な脱臼に見えても、剥離骨折を伴っていることがよくあります。 自己治療は症状を悪化させるもとですので、勝手な判断で、無理に治そうとしないように。 包帯や三角巾を使い、脱臼箇所が動かないように固定します。 患部に十分注意したうえで、病院、接骨院・整骨院へ行ってください。